夢ネット

8回目。なんか一回重複してました。


「そこまでよ、藤間君。クライアントから手を離して」
静止する小野寺の声。……やっぱり、そういう事か。
李は言う。
「済まないな。藤間君。君の実力を確認させてもらった。害意は無い」
口では謝っているが、口調には一切の感情がこもっていない。
「その台詞、輪切り死体相手にも吐くつもりだったのか?」
「君も、その程度のことには慣れているだろう」
だめだコイツ、データしか見えてねえ。呆れるぜ。
「あんた、言ったよな。俺が隠し事をされるのを異様に嫌うってさ」
「言ったな」
「多分あんた……小野寺も含め、『異様』って奴の認識が甘いぜ」
やれやれと、俺はため息をつく。
「……! ちょ、ちょっと藤間君!? や、やめなさい!」
小野寺何かに気付いたようだが、もう遅い。
「一回死ね」
俺の右手は、李の心臓を捕らえた。